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こちらは、文字通りコラムです。私の思ってることや伝えたいことを、写真を交えて掲載していきます。
  母国を離れて
世界が24時間ネットワークで繋がれたこの時代に、母国を離れる、と言われても??という感じかもしれませんが実際に離れてみると、色々なことを考え、感じる“きっかけ”を与えてくれます。
私が初めてニューヨークの地に降り立った日、予約していたタクシーのドライバーは大きなダンボールの山を見て途方に暮れました。明らかに「聞いてきた話と違うぜ」と顔に書いてありました。それでも助手席以外のシートを全て倒して強引に荷物を詰め込む私に、彼はすっかり諦めモード。可能な限りの荷物を載せて空港を後にしたのでした。
そして最悪なことに、車の空調が効かずに悪態をつく彼。重い空気が流れる車中で、私は明るく大きな声で「窓を開けて、音楽でもかけようよ」と声をかけてみました。すると彼はお気に入りのFMステーションのスイッチを入れたのです。流れてきたのは懐かしの80's…思わず二人とも声を上げて歌っていました。そこからは会話も弾んで快適なドライブに。バングラデシュ出身の彼の英語は聞き取りにくいけれど、満面の笑みで「Wellcome to New York!」と言って右の手のひらを私に差し出し、パチンとあわせて歓迎の儀式をしてくれたのでした。
 
母国語である日本語との決別を通じて、私は今、コミュニケーションの大切さを痛感しています。生まれてこの方使い続けた日本語でさえ、伝えたいことを100%表現するのは難しい。にもかかわらず、人種のサラダボウルニューヨークでは、英語を母国語としない大勢の人たちが英語を「共通語」として駆使しているのです。よって、オーバーなアクションや豊かな表情は大切なコミュニケーションのひとつ、理解しあうための相手への“思いやり”でもあるのではないでしょうか?
 
これは日本にいても同じこと。流暢に話せることが偉いのではなく、相手に伝わることが最優先なのです。コミュニケーションは自己満足を抜きにして、優しさと思いやりが大切!もちろん、伝えるべき中味が必要なのは言うまでもありませんが…。相手を尊重する姿勢をもって接すれば、人は必ず向き合ってくれるでしょうし、嫌な気持ちになる人もいないはずです。
 
人前で話をする職業柄、自分から日本語を取り上げた環境を作ったことで言葉やコミュニケーションについてより強く感じたのかもしれません。さぁ、これから伝えたい事が伝わらない屈辱の日々が始まります。卑屈にならずに、まずは“思いやり”コミュニケーションからスタートしたいと思います。そして、やがてはコミュニケーションのプロフェッショナルに!
 
 
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